井石郷は現在200世帯です。これから、200世帯の667人が、如何に元気に面白く生きて
行くかを私は考えています。
日本の田舎は、昭和40年代前半から産業の高度成長が始まり、カラーテレビ、クーラー、
カーの所有が出来るようになりました。この高度成長というのは、庶民が物の所有をしやすく
なり、何でも金で物事を処理出来る社会です。
このような現象変化を我々誰もが、望んでいたしそれを享受して来ました。それで一度、
よりよい生活を味わうとそのうまみを覚えてしまい、更にもっとよりよい生活を求めてきました
その渦中に居るときは、自分が欲望を肥大させている事にまったく気づかずにいます。その
結果、平成の初め誰もが浮かれてバブル経済を謳歌し踊っていました。その後、経済の
世界標準化のスピードが速く、日本の金融システムが崩壊し、波佐見焼の売り上げが激減
する時代に突入してまいりました。更に、昨年はアメリカ発の金融破たんで日本経済も大きな
被害を被り、お先真っ暗な時代を現在進んでいます。
そこで波佐見の今後を考えると、一瀬町長が平成13年打ち上げた「きなっせ100万人」の
アドバルーンを今一度、真剣に考え直して実践する時です。誰も何もしない村に、人々は
面白くないから人りも来ません。故に、この波佐見を人間交流の町にする思いがあれば、
色んなアイデアが出てきます。
ひとつは、西の原地区にあるレトロ講堂と、明治4年に開校した旧小学校跡地を交流の場
として真剣に考える事です。それに伴いHANAWAKUSUIを錦旗とすれば、その界隈が華
やいで来ます。
2つ目に、私が今、井石郷の農家にお願いしているのは、自分の畑に野菜を沢山作って
欲しいのです。それを販売するのに波佐見町内外からお客様を呼ぶ仕組みを作り、そこで
野菜採り体験をしてもらうのです。これは、大型農業でなく小さな農家個人の畑を有効利用
する事です。自家需要だけの野菜畑を採取体験場として売るのです。農家には、このイベント
にまったくリスクがないし、野菜の採取体験として土のついた新鮮な野菜をお客様自ら採り
喜んでリピーターになります。
これは、大きな金をかけない地域づくりの小さな試みのひとつです。失敗する事はない代わ
りに、ヤルか否かの決断だけです。
自治会長 深澤清
平成21年10月号 広報はさみ GO!GO!郷!!
〜えんちの地区はどがんとこ?〜 より転載しました。 |