皿山郷は、190世帯で人口は450名、内75歳以上が約90名、小中学生は27名と
典型的な少子高齢化の自治会で、毎年冬には凍結や積雪により大渋滞を起こすことで
有名?な皿山峠があります。
皿山大神宮は、稗木場山(現皿山)を開拓した室町中期の長享元年(1487年)に、
祠を建てて五穀豊穣を祈ったのがはじまりと言われています。以来、神殿拝殿は地区
の鎮守として崇められてきました。今の石造神殿は、明治初期に佐賀県塩田の名工
筒井関平が精魂込めて刻みました。その構造は芸術性が高く、石で刻んだ神殿では
近隣にその比をみません。神殿の西側に並んで建つ天満宮、宮地獄の祠や拝殿前の
狛犬は同じく筒井関平作です(町文献から)。
そして、皿山といえば人形浄瑠璃があります。享保17年(1732年)に「美玉座」が
結成されて以来、営々と継承され昭和29年には「県無形民俗文化財」に指定されました。
また、嬉しいことに数十年振りの女性大夫(語り手)「西浦美保子さんと松尾みどりさん」の
2人が誕生し、昨年8月の大神宮夏越祭でデビューしました。その一方で、人形使いの
後継者不足が悩みの種で現在募集しています。
人形浄瑠璃では、昨年から長寿等の御祝でも舞う「三番叟」を取り入れ、夏越祭や敬老
会、12月の器替まつりでも公演しています。
最近では、他地区から出張公演の依頼も受けるようになりました。希望がございましたら
ご連絡ください。
今年の4月には「中村三平」氏がロクロ成型部門で「県無形文化財」の指定を受けられ
ました。中村三平氏は、この道60年以上の匠であり、このような職人さんは今後出ないと
言われています。
皿山のような小さな自治会に、一団体・一個人の2つの「県指定文化財」が存在すること
は、郷民の誇りであり宝です。
今後、皿山郷の伝統と文化を守りながら、郷民の皆様と共に頑張っていきたいと
思います。
自治会長 濱田英陽
平成21年11月号 広報はさみ GO!GO!郷!!
〜えんちの地区はどがんとこ?〜 より転載しました。 |